◇ ブ ラ ス バ ン ド に つ い て ◇

ブラスバンドの魅力

 ブリティッシュ・スタイルのブラスバンドでは、オーケストラで使用されるトランペットやフレンチ・ホルンは使用せずに、コルネットを中心としたいわゆる円錐形の管をもった楽器が使われています。
 ベルギーのアドルフ・サックスによって改良され命名された一連のサクソルン属の楽器は、トランペットやトロンボーンよりも全体に管が太く、円錐部の広がりが大きいため、音がやわらかく、ソプラノからバスまでの楽器の音色が均一化されています。
 このため、オーケストラの弦楽器群のように同一種属の楽器で合奏できるので、音色の統一がよく、バンド全体が一つの楽器として『パイプオルガン』のような荘厳でやわらかく落ち着いた響きを作り上げることが可能となります。     

ブラスバンドの国≪英国≫

ブラスバンドの歴史

 19世紀中頃より、英国の中部マンチェスターを中心に、炭坑で働く人々のために結成されたブラスバンドは、金管楽器のみの合奏ということから、音がたいへんブレンドしやすく、また、そのハーモニーがたいへん美しく響くこと・音を出す原理が同じであるため、教えるのにも楽だったというようなことから、各地で急速に発展していきました。
 最初は職場のために結成されたバンドでしたが、だんだんとその地域のバンドへと発展していくようになりました。バンドの名称はスポンサーである会社名をつけていますが、奏者は必ずしもその会社に勤めているのではなく、その地域の人々の「我が街のバンド」という意識が強くなっています。
 また、企業内でのクラブ活動を中心に盛んになったバンドの間で次第に競争が始まり、1853年マンチェスターで「第1回 British Open Championship 」が開催され、各地でのコンテストが盛んになると、メンバーの演奏技術も向上し、 よい結果を納めるためにいっそう練習に励むようになりました。

ブラスバンドは生活の一部?!

 現在の英国では「町に1つはバンドがある」というほど普及しており、約2000もの団体が活動していると言われています。「幼いころから楽器に触れ、町には音楽が溢れている」。なんと素敵な環境でしょう。日本で言う「ピアノのおけいこ」のように英国では「楽器のおけいこ」に通う少年・少女たちが多いようです。そして彼らは2000ある団体の中の一員となっていきます。
 そして、その頂点に位置するのが「Champion Section」というものに属するバンドです。ここには150年近い歴史と伝統を誇る 『Black Dyke』 など、来日して演奏会を開催しているようなバンドもたくさんあります。このほかに「2nd Section」「3rd Section」「4th Section」とあり、コンテストの結果によってそれぞれのセクション入れ替えが行われます。
 また、青少年のための「Youth Band」というものもあり、幅広い年齢の方が各々の力量に合ったバンドで演奏を楽しめる環境が整えられています。

ブラスバンドコンテスト

 ブラシバンドは、各地でソロコンテストや地区大会などが頻繁に開催されており、今や演奏会は国民的行事となっています。代表的なコンテストは以下の通りです。
  ・ British Open Brass Band Championship(ブリティッシュオープン、1853年〜) 9月
  ・ National Brass Band Championship of Great Britain(全英選手権、1900年〜) 10月
  ・ European Brass Band Championship(ヨーロッパ選手権、1978年〜) 5月
  ・ All England Masters Brass Band Championship(全英マスターズ、1989年〜)

ブラスバンドの編成

ブラスバンドの並びの例(NBBの場合)
ブラスバンドの並びの例(NBBの場合)

代表的な編成は以下の通りです。()は標準人数

Eb Soprano Cornet  ソプラノ・コルネット (1)
Solo Bb Cornet  ソロ・コルネット (4)
Repiano Bb Cornet  リピアノ・コルネット (1)
2nd Bb Cornet  セカンド・コルネット (2)
3rd Bb Cornet  サード・コルネット (2)
Bb Flugel Horn  フリューゲル・ホーン (1)
Solo Eb Tenor Horn  ソロ・テナー・ホーン (1)
1st Eb Tenor Horn  ファースト・テナー・ホーン (1)
2nd Eb Tenor Horn  セカンド・テナー・ホーン (1)



1st Bb Baritone  ファースト・バリトン (1)
2nd Bb Baritone  セカンド・バリトン (1)
1st Bb Tenor Trombone  ファースト・トロンボーン (1)
2nd Bb Tenor Trombone  セカンド・トロンボーン (1)
Bass Trombone  バス・トロンボーン (1)
Bb Euphonium  ユーフォニアム (2)
Eb Bass  イーフラット・バス (2)
Bb Bass  ビーフラット・バス (2)
Percussion  パーカッション (3)

この28名編成によって、多くの楽譜が書かれています。

日本のブラスバンド

  日本では「ブラスバンド=学校の吹奏楽」と思われているのが一般的です(高校野球中継での誤った報道が原因の1つでしょうか?)。 「ブラス」とは金属の「真鍮(しんちゅう)」のことで、本来「ブラスバンド」の直訳は「金管バンド」になります。ちなみに吹奏楽は色々な言い方があるのですが、シンフォニック・バンドやウィンド・アンサンブルと呼ばれることが多いようです(こちらも編成によって異なります)。 このページをご覧になった方は、ぜひ「ブラス・バンド」と「吹奏楽」の言葉の違いを使い分けましょう。
  英国の音楽であるブラスバンドですが、日本にも元気なプロ団体(THE BREEZE BRASS BANDやVIVID BRASS TOKYOなど)が活動し、一般のアマチュアのブラスバンドも次々に発足してています(NBBもその一つです)。映画「ブラス」の影響もあり、徐々にブリティッシュ・スタイルのブラス・バンドが日本にも浸透しつつあります。また、近年の小子化で、ブラス・バンド(金管バンド)は少人数でも構成できる演奏形態として注目されてます。

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